オフィスの壁紙は職場の快適性や従業員のモチベーションに影響を与え、来訪者様の印象も左右する重要な要素です。壁紙の種類や配色、デザインなどの特徴を踏まえ、オフィスのニーズや雰囲気に合ったものを選ぶことが大切です。
本記事では、オフィスの壁紙にこだわることで得られるメリットや、壁紙の種類、選び方、活用術などを事例も交えながら解説します。
オフィスの壁紙にこだわる3つのメリット
オフィスの壁紙を工夫することで、以下のようなさまざまなメリットを得られます。
仕事のモチベーション向上
オフィスは従業員が長時間過ごす場所であり、壁紙の状態やデザインによって快適性は大きく変わります。清潔で職場の雰囲気に合った壁紙を選ぶことで、働く人の気分が明るくなり、意欲を高める効果があります。
一方で、汚れや黄ばみ、はがれが目立つ壁紙は「古くて不快な環境」という印象を与え、モチベーション低下につながります。
集中力アップで業務効率が向上する
壁紙の色やデザインは、従業員の心理や集中力に影響を与えます。例えば、青色は心を落ち着かせる効果があり、集中を必要とする会議室やデスクワークに最適です。緑色は安心感やリラックス効果などをもたらします。
反対に、派手な柄や彩度の高い色は活力や明るい印象を与えますが、使いすぎると集中力を妨げる要因になりかねません。
適切な色を選ぶことで、作業効率の向上やストレス軽減を図ることができます。
企業のイメージアップと採用力強化
オフィスは従業員だけでなく、来訪者様や求職者にとっても企業の「顔」となる場所です。洗練されたデザインや清潔感のある壁紙は、企業のイメージを高め、信頼感や安心感を与える要素となります。
また、快適でデザイン性の高い職場環境を整えることで、従業員の離職抑制や新たな人材の採用にも有利に働きます。
オフィスで使われる壁紙の主な種類
オフィスでよく使われる壁紙には、以下の5種類があります。
【定番】ビニールクロス
最も広く普及しているオフィスの壁紙です。主成分は塩化ビニール樹脂で、色やデザインのバリエーションが豊富なため、オフィスの雰囲気や企業イメージに合わせて選びやすい特長があります。
また、比較的安価で耐久性も高く、汚れが付きにくいため手入れも簡単です。特に水回りや通気性の良いエリア、食事スペースなどに適しています。
ただし、通気性が低いため、湿気がこもりやすい環境では注意が必要です。
【自然な風合いがある】紙クロス

紙クロスは、パルプや和紙、ケナフといった非木材紙を原料とする壁紙です。自然な風合いが魅力で、環境や健康への配慮を重視するオフィスに適しています。さらに、音を吸収しやすい性質があるため、会議室や集中スペースなど、静けさが求められる空間に最適です。
ただし、水拭きができない場合が多く、汚れがシミになりやすい・擦れに弱い点には注意が必要です。
施工の手間やコストもかかるため、応接室や会議室など特定のエリアに限定し、水回りや食事スペースには取り入れないようにするのが望ましいでしょう。
【高級感が出る】布クロス

布クロスは、レーヨンや絹、麻などの繊維を用いた壁紙で、上質さや高級感を演出するのに適しています。糸の織り方による凹凸や立体感が特徴で、照明の当たり方によって豊かな表情を楽しめます。さらに通気性や吸湿性に優れており、木製家具とも好相性です。
ただし、ホコリが付きやすく、掃除を怠ると見た目が損なわれる点には注意が必要です。また、非防炎の布クロスは法令上使える用途・建物が限られるため、防炎認定品でないと使用しにくいといったデメリットもあるため、専門家に相談すると良いでしょう。
役員室や応接室など、特別感を演出したい空間におすすめです。
【温かみが出る】木目調クロス

木の質感や風合いをリアルに再現した木目調クロスは、オフィスに自然な温かみを取り入れたいときに選ばれる壁紙です。重厚感のあるダーク調から、ナチュラルで明るいトーンまで幅広く揃っており、空間の雰囲気を変えることができます。
ただし、他の壁紙と比べて高価になることが多いため、空間のアクセントとして採用する場所を限定すると良いでしょう。
【自然素材系】珪藻土壁紙・漆喰壁紙

自然素材を主成分とした珪藻土壁紙や漆喰壁紙は、独特の色合いと質感を持ち、オフィス空間に個性を加えます。珪藻土は植物プランクトンの化石からできた土を原料とし、ザラザラとした質感が特徴です。
漆喰は消石灰を主成分とし、塗り壁のような滑らかでマットな風合いを楽しめます。いずれも調湿性や消臭効果、防火性に優れており、快適な空間づくりに役立ちます。
ただし、インテリアによっては合わせにくい場合や、色味によって暗い印象を与えることがあるため、注意が必要です。
オフィスの壁紙選びで失敗しない4つの基本
オフィスの壁紙選びで失敗してしまうと、空間の雰囲気や快適性を損ねてしまいます。
そこで、以下の4つのポイントを押さえた上で選ぶことが大切です。
①オフィスに適した「配色」に
オフィスの壁紙選びでまず意識すべきは「配色」です。落ち着いた雰囲気と集中しやすい環境をつくるためには、ベースカラーに白・グレー・ベージュといった無彩色を選ぶのがおすすめです。そうすることで、赤や黄色などのアクセントカラーを効果的に取り入れることができます。
また、オフィスで使う色は、ベースカラー70%、メインカラー25%、アクセントカラー5%の配分を意識しながら決めることで整った印象を持たせることができます。一般的に、ベースカラーは壁や天井、床、メインカラーは家具に使用します。そこにアクセントカラーを部分的に加えることで、空間に彩りが生まれます。
このルールに従えば、統一感のある空間を作りやすくなり、従業員や来訪者様にとって居心地のよいオフィスになります。
壁紙選びはオフィスの床選びにも関わってきます。床材や床のデザインの選び方や種類は下記記事をご覧ください。
No.8 オフィスの床材・デザインの選び方を解説!床材の種類やOAフロアのトレンドも
②オフィスの個性を出す「素材・質感」
色だけでなく、素材や質感にこだわることでもオフィスの印象は大きく変わります。質感が特徴的な壁紙として、主に以下のものがあります。
| デザイン | 特徴 |
|---|---|
| 織物調 | 織物のような風合いを再現した壁紙で、表面に柔らかな凹凸がある。温かみや柔らかさを演出 |
| 石目調 | 大理石や御影石など、天然石の質感を模した壁紙。 上質で重厚な雰囲気を醸し出す |
| 木目調 | 木材の質感や色合いを再現した壁紙。 ナチュラルでリラックスできる空間を作り出す |
| レンガ調 | レンガを積み上げたような模様を再現した壁紙。カジュアルでクリエイティブな印象を与える |
| コンクリート打ち放し風 | コンクリートの無機質さを再現した壁紙。 スタイリッシュでモダンな雰囲気を作り出す |
他にも、「モルタル調」の壁紙があります。モルタルはセメントに砂と水を混ぜた建材であり、シンプルで無機質な質感を持ちます。モルタル調はこうした質感をリアルに再現でき、以下の事例のように落ち着いた雰囲気の中に表情を持たせたい場合に適しています。
▼モルタル調の壁紙を使ったエントランスの壁紙

③意外と見逃しがちなポイント「機能性」
デザインや色合いだけでなく、オフィスの壁紙選びでは「機能性」も重要なチェックポイントです。
例えば、汚れがつきにくいビニールクロスは食事スペースや水回りに最適であり、防音性のあるクロスは会議室や集中スペースに適しています。
また、調湿性に優れた自然素材系の壁紙を選べば、空間の快適性を高めることができます。用途やエリアに適した機能の壁紙を組み合わせることで、働きやすく効率的なオフィスが実現します。
壁紙の主な機能性としては以下があります。
| 機能 | 特徴 | 主な効果・用途 |
| 消臭 | 壁紙に消臭成分や多孔質素材を配合 | タバコや料理臭、トイレ臭などの低減。飲食エリアや休憩スペースに適する |
| 湿度調整 | 調湿性のある天然素材(珪藻土・漆喰など)や特殊塗布 | 空気中の湿度を吸収・放出し、結露防止や快適な室内環境を維持。水回りや会議室に有効 |
| 傷対策 | 表面強化や塩化ビニール素材などで耐久性向上 | 傷や擦れに強く、通路や物が接触しやすいエリアに最適 |
| 抗ウイルス | 銀イオンや光触媒などの抗ウイルス加工 | ウイルスの増殖抑制。医療施設や、オフィス・学校内で衛生管理が必要な空間向け |
| 抗アレルゲン | アレルゲン吸着素材や特殊コーティング | ホコリや花粉などアレルゲンの室内浮遊を抑制。オフィスや居室、保育施設に適する |
| 防カビ | 防カビ剤配合や吸湿素材 | カビの発生を抑える。湿気が多い場所や水回りで推奨 |
| 光反射 | 反射率を調整した表面加工 | 室内の明るさを均一化し、間接照明や照明ムラの軽減に有効。会議室やオフィス全体で利用 |
| プロジェクタースクリーン機能 | 特殊加工によりスクリーンとして投影可能 | 会議室やセミナールームで壁面をスクリーンとして使用可能。専用のスクリーンが不要 |
④インテリアとのマッチ性
美しい壁紙でも、家具やインテリアと調和していなければ統一感に欠け、落ち着かない空間になってしまいます。そのため、デスクや椅子、収納棚などのテイストや色合いを事前に検討し、それに合わせて壁紙を選ぶことが大切です。
例えば、木製家具にはナチュラルな木目調クロス、モダンな家具にはコンクリート調クロスなどを選ぶと良いでしょう。壁紙とインテリアのマッチングを意識することで、洗練された居心地のよいオフィスをつくることができます。
具体的には、以下のような合わせ方があります。
【事例①】
・壁紙に木目調を入れる:机を木目調にしつつ、壁紙にも木目を取り入れて統一感を持たせています

【事例②】
・壁紙にコンクリート調を使用:家具は明るい木目調にしつつ、グレーのコンクリート調の壁紙にすることで落ち着いた雰囲気となっています

【事例③】
・家具と合わせた壁紙:家具にも壁紙にもグレーを取り入れることで、統一感・モダンな雰囲気を演出しています

【事例付き】ワンランク上のおしゃれオフィスを実現する壁紙活用術
以下では、ワンランク上のおしゃれオフィスを実現するための壁紙活用方法を、実際の事例を交えて解説します。
エントランスや会議室など場所の目的に合わせて壁紙を変える
オフィスの空間全体で同じものを使用するのではなく、エントランスや会議室など各エリアの機能や目的に合わせて変更することで、よりメリハリのある空間演出が可能となります。
【事例①】
- 目を惹くデザインのエントランス:
壁紙の形状は、コーポレートロゴからも着想を得ており、企業イメージの訴求性を高めています。また壁面緑化を取り入れることで、清潔感を演出しています

【事例②】
- 色分けしたミーティングエリアとリラクゼーションエリア:
ミーティングエリアでは白の壁紙とガラスを組み合わせ、新しいアイディアの創造につながる雰囲気を作り出し、リラクゼーションエリアでは青を基調とすることで、気持ちを落ち着かせリラックスできる空間を演出しています

コーポレートカラーを取り入れる
オフィスの壁紙にコーポレートカラーを取り入れることは、企業らしさを表現し、ブランディングを強化する効果的な方法の一つです。
【事例】
- コーポレートカラーの青をアクセントカラーに:
キッチン周りの人が集まるスペースに耐震補強のブレース(筋交い)があり、そこにコーポレートカラーの青色を取り入れています。これにより、印象に残る空間を実現しています。また、会議室の一部の壁にも青色を取り入れています。


一面だけ色を変えるアクセントクロスで空間を引き締める
部屋の壁4面のうち1面や、壁の一部に異なるデザインやカラーのクロスを張ることで、手軽におしゃれな雰囲気を演出できます

【事例】
- 定番のベースカラーに緑のアクセントカラーを導入:白やベージュなどの定番色をベースにしつつ、柱の部分に緑色の鮮やかな色をアクセントとして取り入れることで、個性的かつ派手すぎないデザインに仕上がっています。
【+α】ガラスを取り入れる
その他の工夫として、壁を思わせないガラスを使った間仕切りを取り入れるという方法もあります。閉塞感を出したくないというニーズに応えた空間を作り出せ、応接室に使用することで来訪者様に対してオープンな印象を与えることができます。
- ガラス張りの会議室:会議室の壁をガラスに変えることで、開放感のある明るい印象を演出しています


オフィス壁紙の貼り替えをプロに依頼する際の流れ
オフィスの壁紙を張り替える際には業者に依頼することが一般的です。
以下では、業者に依頼する際のステップと選び方について解説します。
問い合わせから施工完了までのステップ
①業者への問合せ
まずは専門業者へ問い合わせを行い、希望する施工内容やオフィスの状況を伝えます。
②現地での下見調査
業者がオフィスを訪問し、壁の状態や広さを確認します。また、必要な材料の量や下地補修の有無などを調べ、施工計画を立てます。
③見積提示&契約
調査内容をもとに見積もりが提示されるので、内容に納得できれば契約を締結します。見積書には施工範囲・材料費・工期などが記載されているため、細かく確認しておくことが重要です。
④工事
実際の施工に入ります。既存の壁紙を剥がし、必要に応じて下地を補修して新しい壁紙を貼ります。オフィスの場合、稼働状況に合わせて夜間や休日に工事を行うケースも一般的です。
⑤最終確認後に引き渡し
工事が完了したら、施主と業者で仕上がりを確認し、問題がなければ引き渡しとなります。
業者を選ぶときのポイント
業者選びを誤ると、仕上がりや対応に不満が残る可能性があります。
以下の点を意識して選ぶことがおすすめです。
- 壁紙の提案から施工までを一貫して行えるオフィスデザイン業者かどうか
分業ではなく一括対応できる業者は、スムーズで無駄のない施工が期待できます
- オフィスのコンセプトやニーズに合わせた提案ができるか
単に壁紙を貼るだけでなく、働く環境や企業イメージを踏まえた提案をしてくれるかが重要です
- 見積りの透明性
材料費・施工費・諸経費などの内訳が明確かどうかを必ず確認しましょう
- アフターサポートの有無
施工後のメンテナンスや不具合への対応がある業者を選ぶと、施工後も安心です
イルミナでは、内装設計・デザインはもちろん、建築監理サービス全般のトータルサポートまで、お客様のご状況に合わせたサービスを提供しています。オフィスづくりでお客様が重視するポイントやオフィスの課題を踏まえるだけでなく、さらなる発展に向けた空間をご提案できます。
お打ち合わせを重ね、ご提案内容とお見積書を納得のいくまで確認していただいておりますので、オフィス壁紙の貼り替えをご検討の方は、下記よりお問い合わせください。
また、サービスの詳細は以下の資料をご覧ください。


