オフィス改装とは?改修との違い
オフィス改装とは、既存のオフィス空間に対して外観や内装、レイアウトや家具を新しくする工事や施策のことです。視覚的な魅力を高める「デザイン性の向上」や、働き方に応じた空間配置や設備の最適化を図る「機能性の向上」、企業のアイデンティティを空間に反映し、社員や来訪者様に良い印象を与える「ブランドイメージの向上」などの目的で実施されます。
改装と似た概念に「改修」があります。改装は主に機能や見た目の刷新を目指す一方で、改修は設備や構造を「原状回復」するための作業であり、安全性を維持・向上するための必要不可欠な保守作業と定義できます。
<改修と改装の違い>
改装 | 改修 | |
目的 | デザイン・機能性の向上、課題解決 | 構造・設備の修理・補修、安全性の維持 |
対象 | 内装、レイアウト、家具、照明など | 壁、床、配管、電気設備など |
印象 | “アップグレード”や“リニューアル” | “メンテナンス” |
効果 | 働き方や企業文化の刷新、ブランド強化 | 建物の耐久性向上、トラブル防止 |
オフィス改装のメリット・効果
オフィス改装は、コスト削減はもちろん、ブランドイメージや従業員満足度の向上などさまざまな面でメリットをもたらします。
以下では、オフィス改修によって得られる代表的なメリット・効果を4つ解説します。
オフィスコストの削減
オフィス改修は初期投資こそ必要ですが、長期的にはランニングコストを抑える手段として有効です。例えば以下のような見直しを行うことで、日々の消費エネルギー(光熱費)や維持費を削減できます。
- 照明のLED化による電気代削減
- 空調設備の更新・配置変更による省エネ効率の向上
- フリーアドレスの導入により、必要な席数を抑え、スペース・賃料・清掃費などの維持管理コストを軽減
フリーアドレスの導入については、こちらの記事で詳しく解説しています。
→内部リンク:No.2「【事例付き】オフィスのフリーアドレス導入で失敗する理由とは?対処法・メリットやデメリットをご紹介」
このような設備・レイアウトの見直しにより、コスト構造のスリム化が図れます。
企業イメージの向上
オフィスは単なる働く場所ではなく、企業の「顔」とも言える存在です。洗練されたデザインや機能的な空間を演出することで、来訪する取引先や求職者に良い印象を与えられます。
また、オフィスの改装により企業理念やブランドイメージを視覚的に表現することが可能になり、「どのような会社か」を伝えやすくなります。加えて、改装後のオフィスをWebサイトや会社案内などで紹介することで、企業のPRにもつながります。
従業員の意欲向上
働く環境は、従業員のモチベーションに直結します。清潔感があり、おしゃれで機能的な空間は、「ここで働きたい」という気持ちを引き出し、帰属意識を高める効果があります。
さらに、オフィス改装のプロセスにおいて従業員の声を取り入れることで、「自分たちの意見が反映された働きやすい職場」であるという満足感が生まれます。結果として、離職率の低下やエンゲージメントの向上にもつながります。
業務効率の改善
働き方改革や多様なワークスタイルへの対応に合わせ、業務に適した導線やレイアウトを構築することで、生産性の向上につながります。例えば、以下のような効果が期待できます。
- Web会議の環境が不十分だった場合:
専用の防音材を用いた個別ブースや防音性能に配慮した間仕切り壁等を導入することで、オンラインミーティングのストレスを軽減できます
- 仕事にメリハリをつけたい場合:
集中作業用ブース、リフレッシュできるカフェスペース、柔軟に働けるフリーアドレスエリアなどを導入することで、仕事への集中力と効率が向上します
このように、課題解決に即した空間づくりにより、直接的な改善効果を得られます。
現状の課題を明確にし、自社の働き方に合った空間設計を行うことで、より魅力的で強い組織を実現できます。
オフィス改装の種類と費用目安

オフィスの改装は、企業の成長や働き方の変化に合わせて必要となる重要な投資ですが、「どのような種類があるのか、また費用がどれくらいかかるかわからない」という方もいるのではないでしょうか?
そこで以下では、オフィス改装の種類とそれぞれの費用の目安を解説します。
全体的な改装
オフィス全体を見直すような広範囲の改装では、工事規模が大きくなり、期間も長期にわたることが一般的です。このような場合、一時的に業務を別の場所に移す仮オフィスの確保やスケジュール管理が重要になります。
【適している状況】
- 企業イメージを一新したい(例:採用力・ブランディングの強化)
- 拠点統合や再配置に伴う大規模なレイアウト変更が必要な場合
【費用の目安】
- 1坪あたり30万円~60万円(目安として≒100坪の場合)※ビルによってはB工事区分の金額によって変動あり
- 100坪のオフィスであれば、3,000万円~6,000万円が一般的
【改装期間】
- プロジェクト期間 6か月~1年程度(工事期間 1.5か月~3か月程度)
与件整理からデザイン設計・ビル側との調整・施工等、引っ越し手配やインフラ整備を含めると、ある程度の時間と計画的な段取りが必要です。
部分的な改装
オフィスの一部の空間だけを見直す部分的な改装は、比較的短期間・低コストで実施できる点が特長です。通常業務を続けながら工事が可能なため、事業への影響を最小限に抑えたい企業に向いています。
【部分的改装の例】
- エントランスのリニューアル(企業イメージの向上)
- 会議室の増設・音対策
- フリーアドレス制導入に伴う執務スペースのFFE(家具・什器・備品)変更
- Web会議ブースの新設など
【適している状況】
- 改装予算に制限があり、事業への影響を最小限に抑えたい
- 今すぐ全面改装は難しいが、一部に課題があるので解消したい
- オフィスの雰囲気を段階的に変えたい
【費用の目安】
- 30万円~/坪(家具工事等含む)
- 10坪程度のスペースなら300万円~で改装可能
ただし、上記の費用はあくまで目安であり、実際には工事の区分や「どのくらい作りこむか」といった点によって変動するため、自社の予算規模を踏まえた上で前に業者に確認しておくことが大切です。自社のオフィス改装費用・スケジュールを知りたい方はお気軽にご相談ください。
オフィス改装の進行手順
オフィス改装は無計画に進めてしまうと、費用の膨張や想定外のトラブルを招くおそれがあります。ここでは、改装を成功させるための基本的な進行手順を6つのステップに分けて解説します。
1. 改装目的の明確化
まず取り組むべきは、「なぜ改装が必要なのか」という目的の明確化です。目的が曖昧なまま進めると、期待した効果が得られず、費用対効果が低くなる可能性もあります。
【目的明確化のポイント】
- 現状の課題を把握する:従業員へのヒアリングやアンケート、チェックシートを使って、働き方や業務効率に関する課題を洗い出しましょう
- 理想のオフィス像を描く:他社のオフィス事例を参考にしながら、「こういう働き方を実現したい」「このような空間にしたい」といった将来のイメージを具体化していきます
2. 改装費用と期間を決め、見積もりを取る
予算とスケジュールの枠を先に定めておくことで、無理のない改装計画を立てることができます。費用対効果を重視しながら、現実的な範囲での改装を検討しましょう。
予算オーバーを防ぐためにも、改装にかけられる上限予算と希望工期を明確にした上で、複数の業者に相見積もりを依頼し、価格・期間・提案内容を比較検討することがポイントです。特に大規模改装では、段階的な工事や一時的な仮オフィスの必要性も考慮します。
3. オフィスデザイン・レイアウト・インテリアの決定
働き方の方針や目的に応じたレイアウト設計と内装デザインは、業務効率や従業員満足度に直結します。特に、下記3つの観点を重視しましょう。
① ゾーニング計画とセキュリティレベルの設定
執務エリア、会議室、来客対応スペースなどの役割分担や、機密情報の扱いに配慮した配置が必要です。
② 導線設計に意図を持たせる
業務効率化を進めたい場合は、同じ部署を近くに配置して集中用のブースを奥にする、コミュニケーションを活性化したい場合は、通路途中にオープン・リフレッシュスペース(例:カフェスペース)を設置するなどの工夫が求められます。
③ 寸法計画(什器・人の導線の確保)
作業スペース・通路幅・収納など、実用性を意識した寸法設計が不可欠です。
この段階で、内装会社にイメージや要望をしっかりと伝えることで、プロ目線の提案を受けることができます。
4.許認可や法的手続きを確認する
工事をスムーズに進めるためには、事前の法的確認や関係者への許可取りも欠かせません。特に賃貸物件では注意が必要です。
チェックすべきポイントとして、賃貸オフィスの場合はオーナーの事前許可が必要です。賃貸借契約書の内容を確認しておきましょう。また、避難経路検証や防火設備、間仕切り変更などがある場合、管轄の消防署への届出が必須です。ビル管理会社の内装工事ガイドラインの確認も忘れないようにしましょう。
5. 改装工事の実施
施工会社による工事がスタートしたら、スケジュールの管理や進捗の確認を行いながら進めていきます。必要に応じて部分ごとの引き渡しを行い、段階的に使用を開始することも可能です。
初期の目的設定から工事完了までをトータルでサポートしてくれる内装会社を選ぶことで、手間やミスを大きく減らすことができます。
6.竣工後のアフターケア
改装完了後に継続的な改善や不具合対応ができるかといった、アフターサポート体制を確認することも大切です。
【アフターケアで確認すべき点】
- 内装や什器の保証期間と範囲
- 不具合時の対応スピードや連絡方法
- 実際の運用に合わなかった部分の改善提案や再調整
上記の各ステップにおいて目的や課題を明確にし、信頼できるパートナーとともに進めることで、失敗のない改装が実現できます。
弊社イルミナでは、上記1~6までの流れを一括して対応可能です。オフィス改装に不安を感じている方、法律に関する知識があまりない方、改装をご検討の際は、ぜひお問い合わせください。
オフィス改装時に注意するべきポイントとは?

オフィス改装の工事を進める際に注意すべき点を見落とすと、トラブルや追加費用発生の原因になりかねません。
以下の4つのポイントを事前にしっかりと確認しておきましょう。
賃貸物件における原状回復を考慮する
賃貸オフィスでは、契約により「原状回復義務」が定められていることが一般的です。退去時には入居時の状態に戻す必要があるため、改装工事を行う前に、オーナーや管理会社と改装の可否や範囲について十分に話し合い、文書での合意を得ておきましょう。
工事区分を事前に確認する
オフィスビルでは、壁や床、天井の変更、電気・空調設備の移設などに制限がある場合があります。これらを無断で進めると、契約違反や高額な原状回復費用につながる可能性もあるため、具体的にどこまで工事が許されているのかを確認します。
特に、「A工事」「B工事」「C工事」の区分※がある物件では、範囲や費用負担者が異なるため、それらを明確に把握しておく必要があります。
- ※A工事:建物全体の共有部分や外装部分、共用設備に関する工事。費用は貸主(建物オーナー)が負担
- B工事:主に専有部分に関する工事だが、建物全体に影響を及ぼす可能性がある工事。貸主(建物オーナー)が指定する会社で実施し、費用は借主(テナント)が負担
- C工事:主にテナント専有部分のみを対象とし、建物全体に影響を及ぼさない工事。費用は借主(テナント)が負担
消防法を遵守する
内装変更により、避難経路や火災対策に関する基準が変わる場合があります。そのため、改装前には必ず管轄の消防署に相談し、規制の内容や必要な手続き、届出を把握しましょう。
例えば、天井まで届く間仕切りの設置は、個室扱いとなるため規制の対象となることがあります。また、事務所をカフェや雑貨店に改装する場合のように、用途変更を行うと防火対象物としての種別が変わり、従来の天井仕様では不適格になることがあります。
こうした手続きは、弊社のような内装デザイン会社が代行可能な場合もあるため、事前に確認しておくとスムーズです。
改装工事中の業務スペースを確保する
オフィスの一部または全体を使用できなくなる期間が発生するため、その間の業務継続方法を検討しておく必要があります。
レンタルオフィスやシェアオフィスといった短期利用が可能な仮オフィスの活用が有効です。在宅勤務やフレックス制度の活用も視野に入れるとよいでしょう。
オフィス改装を依頼する業者の選定ポイント
オフィス改装の成功には、信頼できる業者選びが欠かせません。
以下の4つのポイントを参考に、自社に最適な業者を見極めることが大切です。
施工実績
業者を選定する際は、単に実績の件数が多いかだけでなく、自社の希望する「改装内容」「規模」「デザインテイスト」に近い事例があるかを重視しましょう。
実績の「質」に着目することで、業者の得意分野や提案力を把握できます。施工事例の写真や、過去の顧客の声を確認することも有効です。 弊社イルミナの施工実績はこちらをご覧ください。
法律知識の有無
オフィス改装には、消防法や建築基準法、労働安全衛生法など、さまざまな法律や条例が関わってきます。建設業の許可を持っているか、建築士の資格保有者が在籍しているか、必要な許認可を取得できる体制かどうかを確認することが大切です。
アフターサービスの有無
改装後も長期的に快適なオフィス環境を維持するためには、アフターサービスが重要な要素となります。設備の不具合や定期的なメンテナンスへの対応、レイアウト変更への相談など、必要なときに必要なサポートを受けられる体制が整っているかを事前に確認しておきましょう。
安心感のあるプロジェクト推進
工事のスケジュール管理や関係者との調整、丁寧な対応など、基本的な部分こそ業者の信頼性を判断する重要な要素です。見積もりや提案のやり取りの中で、質問への対応が丁寧か、連絡がスムーズかなどをチェックしましょう。
進行管理力の高い業者であれば、工事期間中のトラブルや遅延のリスクも最小限に抑えられます。
内装会社が手掛けたオフィス改装事例
以下では、内装会社が手掛けたオフィス改装事例を2つご紹介します。
kiCk inc. 様:情報が行き交い新たな創造を生むオフィスに

クリエイティブエージェンシーのkiCk inc.様は、約89坪オフィス内装工事を実施しました。オフィスの中心に本棚を設置し、周辺に丸テーブルやハイテーブルを配置することで、情報の収集・発信・交換の円滑化とコミュニケーションの活性化を図りました。
また、大きなテーブルやソファー席などの家具を置くことで、働く場所やスタイルを自由に選べるようにしています。こうした改装により、情報が行き交い新たなクリエイティビティを発揮するオフィスを実現しました。
シュッピン株式会社 様:色による心理的効果を取り込んだオフィス

小売業を展開するシュッピン株式会社様は、約130坪のオフィス内装工事を実施しました。活気のあるオレンジ、リラックスできる青、アイデア創造の場としての白とガラスのミーティングエリアなど、働く場を色によって明確に区分けすることで、色の持つ心理的効果をワークスペースに取り込みました。
作業内容によって色(場所)を選択して働ける空間構成とすることで、より効率的に働ける環境づくりを目指しています。
オフィス改装はイルミナへお任せください
オフィス改装は、企業の生産性やブランドイメージ、従業員満足度に大きな影響を与える施策であり、目的や課題を明確にし、施工実績やサポート体制などを踏まえて信頼できるパートナーとともに進めることで、メリット・効果を最大化できます。
イルミナでは、内装設計・デザインはもちろん、建築監理サービス全般のトータルサポートまで、お客様のご状況に合わせたサービスを提供しています。
「将来を見据えたオフィスづくり」をまるっとサポート!イルミナのオフィス改装が選ばれる理由
① 安心感のあるプロジェクト推進力
イルミナでは各フェーズに分けたスケジュール管理で、徹底したサポートを行います。
② わくわく感のあるデザイン・設計
機能性と意匠性を兼ね備えた、心奪われるような設計・デザインを提供します。
③ 適正なコスト算出
ご予算に合わせたご提案はもちろん、コスト削減アドバイスや社内相見積により他社に負けないコストを算出します。
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ビル管理との交渉や家具購入、ネットワークインフラ工事、移転作業にいたるまで、まるっとイルミナがサポートします。
オフィス改装にご関心のある方はぜひお問い合わせください。
また、以下の資料では「出社したい」オフィス改装を実現するオフィス設計・デザインをご紹介していますので、こちらもあわせてご覧ください。