オフィスにリフレッシュスペースを導入する際、「休憩室やフリースペースと何が違うのか」「どのように設計すれば効果が出るのか」といった点で判断に迷うケースは多くあります。リフレッシュスペースは単なる休憩場所ではなく、集中力の回復やコミュニケーションの質向上、出社価値の向上など、働き方と成果に直結する空間です。一方で、目的や設計を誤ると、業務利用される、使われないといった状態に陥ります
本記事では、オフィスのリフレッシュスペースの必要性と事例、設計ポイントを解説します。
オフィスのリフレッシュスペースとは
オフィスのリフレッシュスペースとは、従業員が心身を回復し、業務の合間に状態を切り替えるための空間です。単なる休憩室とは異なり、集中力の回復やコミュニケーションの質向上など、業務パフォーマンスを高める役割を持ちます。
リフレッシュスペースの定義
リフレッシュスペースは、業務から一時的に離れ、心身を回復し、次の業務に向けて状態を整えるために設計された空間です。
単なる休憩ではなく、集中力や思考力を回復させる「能動的な休息」を目的としており、働き方と成果に影響を与える空間として位置づけられます。
休憩室・ラウンジとの違い
休憩室やラウンジは、飲食や短時間の休憩を目的とした比較的シンプルな機能を持つ空間です。一方でリフレッシュスペースは、心理的なリセットやコンディション調整までを含めて設計される点が特徴です。
例えば、照明・音・家具・動線といった要素が「気分転換」や「回復」を前提に設計されているかどうかが、休憩室やラウンジとリフレッシュスペースの違いとしてあります。
フリースペースとの違い
リフレッシュスペースはフリースペースと混同されやすいですが、設計思想が大きく異なります。
主な違いは以下の通りです。
| リフレッシュスペース | フリースペース | |
|---|---|---|
| 主目的 | 休憩・回復・切替 | 多目的利用 |
| 業務利用 | 原則しない | 可能 |
| 滞在時間 | 短時間 | 中~長時間 |
| 設計思想 | 心身の回復 | 柔軟性・汎用性 |
| 空間特性 | 静けさ・快適性 | 機能性・可変性 |
フリースペースは打合せや軽作業など業務利用も想定するのに対し、リフレッシュスペースは業務から一度離れることを前提に設計される空間という点が大きな違いです。
オフィスのフリースペースについては下記記事で詳しく解説しています。
▼オフィスのフリースペースは居心地の良い空間に!有効活用するメリットと事例
なぜオフィスにリフレッシュスペースが必要なのか
リフレッシュスペースは、出社価値の向上、生産性向上、従業員満足度の向上に寄与します。
特に、短時間のリフレッシュによる集中力回復は、業務効率に直結する重要な要素です。
出社価値の向上
リモートワークの普及により、自宅で仕事をすることがかつてよりも一般的になっている現在、オフィスには「出社する意味」が求められています。
その中で重要なのは、自宅では得られない「状態の切替」や「集中力の回復」といった価値を提供できるかどうかです。
リフレッシュスペースは、業務から一度離れ、心身をリセットするための空間として、出社価値の向上に寄与します。
集中力・生産性の向上
人は長時間同じ作業を続けると集中力が低下します。短時間でも適切な休憩を挟むことで、脳をリセットし、パフォーマンスを回復させることが可能です。
リフレッシュスペースは、この切り替えを自然に促す場所として機能します。
コミュニケーションの質の向上
業務から離れた状態での会話は、会議や業務連絡とは異なり、心理的な距離を縮める効果があります。リフレッシュスペースは、偶発的かつカジュアルなコミュニケーションを生み出し、結果として従業員間の信頼関係の構築につながります。
従業員満足度・定着率の向上
働きやすい環境は、従業員満足度に直結する要素です。リフレッシュスペースのような息抜きができる空間があることでストレスが軽減され、心理的余裕が生まれます。
その結果、離職率の低下や定着率の向上にも寄与します。
企業ブランディング・カルチャー浸透
リフレッシュスペースは、単なる設備ではなく企業の価値観や文化を体現する場でもあります。空間デザインやコンセプトを通じて、「どのような働き方を重視する企業なのか」を自然に伝えることが可能です。
また、リフレッシュスペースをはじめとするオフィス空間はブランドイメージを浸透させる重要な手段の一つであり、社員の帰属意識だけでなく、来訪者様への印象形成にも影響を与えます。
リフレッシュスペースの事例
リフレッシュスペースは、設計の工夫によって生産性やコミュニケーションに大きな影響を与えます。
ここでは、代表的な事例をご紹介します。
運動・ウェルネス型スペースの事例
株式会社Road Goal Holdings 様のオフィスでは、従業員の健康やリフレッシュを目的としたウェルネス空間が導入されています。
具体的には、軽い運動やストレッチができるスペースをオフィス内に取り入れることで、長時間のデスクワークによる疲労をリセットできる環境を実現しています。また、業務空間とは明確に切り分けることで、オンとオフの切り替えを促進し、集中力の回復につなげられるように設計されていることも特徴です。
このような運動・ウェルネス型のリフレッシュスペースは、単なる福利厚生にとどまらず、従業員のコンディション管理やパフォーマンス向上にも寄与します。結果として、生産性の向上や組織全体の活性化につながる点が大きな価値となっています。
失敗しないリフレッシュスペース設計のポイント
リフレッシュスペースは「目的設計」「環境設計」「運用設計」の3点が重要です。
これらが不十分な場合、利用されない、もしくは本来の目的とは異なる形で利用される空間になってしまいます。
目的から設計する
まずは、「回復を目的とするのか」「交流を促進するのか」を明確にする必要があります。
たとえば、静かな回復空間とコミュニケーション重視の空間では、レイアウトや家具、音環境は大きく異なります。目的が曖昧なままでは、どちらの効果も中途半端なものになります。
フリースペースと混同しない
リフレッシュスペースは「業務を行わない」ことが前提です。
たとえば電源の設置のように、PC利用を前提とした設計にすると作業スペース化してしまい、本来の目的である休息や切り替えといった機能が失われます。適切に休息が取れないことで、かえって生産性が低下する恐れもあります。そのため、“働かせない設計”を意図的に行うことが重要です。
音・視線・照明を設計する
快適性は空間の質に大きく依存します。特に音環境や視線、照明の明るさや色などはリフレッシュ効果に直結します。
目的に応じた設計を意識することに加え、静けさを重視するエリアと会話を許容するエリアを分けるゾーニングを行うことも選択肢の一つです。
滞在時間と利用シーンを設計する
短時間の気分転換を想定するのか、長時間の滞在を許容するのかによって、家具やその配置は変わります。
短時間が前提であればハイチェアやスタンディングを中心にする、長時間滞在を許容するのであればソファ中心にするなど、利用シーンを具体的に描くことが重要です。
運用ルールまで設計する
空間そのものの設計だけでなく、「空間をどう使うか」というルール設計も不可欠です。
たとえば長時間の占有を防ぐ、飲食の可否を決める、業務利用を禁止するなど、適切なルールの下で運用されることで初めて本来の効果が発揮されます。
リフレッシュスペースは“回復と成果を生む空間”である
リフレッシュスペースは単なる休憩場所ではなく、働き方の質を高めるための重要な空間です。集中力の回復やコミュニケーションの質向上、従業員満足度の向上など、多くの効果をもたらします。
ただし、その効果は設計次第で大きく左右されます。特に、フリースペースのような多目的空間と混同し、業務利用を前提とした設計にしてしまうと、本来の「回復・切替」という機能が損なわれます。
目的が曖昧なまま導入された場合、結果として使われない空間になるケースもあります。
そのため、リフレッシュスペースは単体で考えるのではなく、ゾーニングや動線、働き方まで含めた全体最適の中で設計することが重要です。
イルミナでは、リフレッシュスペースを含めたオフィス全体を、目的設計からデザイン・施工・各種調整まで一貫して支援しています。単なる空間づくりではなく、「どのように働き、どのように成果を出すか」まで踏まえた設計が可能です。
リフレッシュスペースを効果的に機能させるためには、具体的な事例や設計の考え方を把握することが重要です。
以下の資料では、実際の設計ポイントやアイデアを体系的にまとめていますので、自社オフィスの検討にお役立てください。


