オフィスグリーンは単なる装飾ではなく、従業員に安らぎを与え、ブランドイメージの向上にも寄与するなど多くの効果をもたらします。オフィスグリーンには本物の植物とフェイクグリーンがあり、植物の場合は種類によって育てやすさや大きさ、形状などが異なるため、自社のオフィスのデザインや配置場所に適したものを選ぶことが大切です。
本記事では、オフィスグリーンの効果や選び方、取り入れる際のポイントなどを解説します。
オフィスにグリーンを取り入れる効果・メリット

オフィスにグリーンを取り入れることで、以下のようにさまざまな効果・メリットを得られます。
快適な空気環境を作れる
観葉植物は空気中の有害物質を吸着・分解し、室内を清浄に保つ上で役立ちます。
また、葉から水分を放出する蒸散作用により、室内の乾燥を防ぎ適度な湿度を維持するため、天然の加湿器としても機能します。特に冬場やエアコンの使用が多い季節には効果的です。
ただし、これらは本物の植物を取り入れた場合の効果であり、定期的な水やりや日照の管理が必要です。世話を怠ると枯れてしまい、逆に印象を損ねることもあります。育てやすい種類を選ぶことや、専門業者に管理を依頼する方法も検討すると良いでしょう。
精神的・物理的な負担を和らげる
植物の緑色は人に安心感を与え、ストレスを軽減する効果があります。実際に、兵庫県立大学の研究では、デスクに置いた小さな植物を3 分間眺めるだけでもストレスが減少したと報告されています※。
オフィスに本物のグリーンを取り入れることで心地よい雰囲気が生まれ、長時間のデスクワークによる視覚疲労を和らげる効果も期待できます。こういったことから、近年では「バイオフィリックデザイン」と呼ばれる、人間の自然回帰欲求を取り入れたデザイン手法が注目されています。
※出典:Science Daily “Plants can improve your work life”
来訪者様に対する企業の印象アップ
オフィスに植物を配置することで、従業員だけでなく来訪者様に対しても好印象を与えられます。環境への配慮や社会に対するポジティブな姿勢を示すことにより、企業のブランディング価値を高める効果も期待できます。特にエントランスや窓際など、来訪者様の目に触れやすい場所に設置すると効果的です。
ただし、「環境への配慮に対するポジティブ印象」は本物の植物を置いた場合に得られる効果であり、枯れたり放置されたりした状態では好ましくない印象を与えてしまうため注意が必要です。
本物の植物とフェイクグリーンどちらがおすすめ?
オフィスにグリーンを導入する際には、「本物の植物」と「フェイクグリーン」の選択肢があります。それぞれ以下の表のようなメリット・デメリットがあり、オフィスの環境や管理体制に合わせて選ぶことが大切です。
| 本物の植物 | フェイクグリーン | |
|---|---|---|
| 概要 | 実際に成長する生きた植物。 空気清浄や加湿など自然の効果が得られる | 人工的に作られた装飾用のグリーン。リアルな質感を持ち、手入れ不要 |
| メリット | ・空気清浄・加湿効果 ・リラックス効果・ストレス緩和が科学的に証明済み ・成長や季節ごとの変化を楽しめる | ・水やり不要、メンテナンスフリー ・枯れる心配がない ・暗所や空調が強い場所でも設置可能 |
| デメリット | ・水やり・剪定など管理が必要 ・日光不足で枯れる可能性 ・虫やカビ、病気が発生することもある | ・空気清浄・加湿などの効果はなし ・長期間で色あせや劣化がある ・ホコリが溜まりやすい |
| 適している 企業・オフィス | ・環境配慮を重視する企業 ・従業員の健康や快適性を重視するオフィス ・管理担当や委託先を確保できる企業 | ・多忙でメンテナンスに手が回らない企業 ・照明や空調の条件が植物に不向きなオフィス ・装飾を重視し、手軽に導入したい企業 |
なお、本物とフェイクをどちらも導入しエリアごとに使い分けることで、それぞれの利点を活かすこともできます。
例えば、エントランスや来客スペースに本物の植物を置き、企業のイメージアップを図る一方、暗所や空調の強い通路にはフェイクグリーンを配置し、デザイン性を担保する方法があります。
オフィスにグリーンを取り入れる際の選び方やポイント
オフィスにグリーンを取り入れる際には、以下のポイントを押さえることが重要です。
手入れのしやすさで植物を選ぶ
オフィスに観葉植物を導入する際には、できるだけ管理が簡単な種類を選ぶと良いでしょう。日常業務の合間に水やりや剪定をするのは難しいため、乾燥に強く、水やりの頻度が少なくても元気に育つ植物が適しています。
また、害虫がつきにくく、落葉が少ない種類を選べば清掃の手間も軽減できます。管理の負担を抑えることは、オフィスグリーンを長く維持するうえで欠かせないポイントです。
育てやすさで植物を選ぶ
オフィスは日当たりが限られたり、冷暖房の影響を強く受けたりと、植物にとっては過酷な環境になることがあります。そのため、耐陰性や耐寒性、耐乾性に優れた種類を選ぶことが重要です。
例えば、サンスベリアは乾燥に強く、パキラやモンステラは比較的日陰でも育ちやすく、カポック(シェフレラ)は丈夫で育成が容易です。
こうした観葉植物は屋内でも元気に育ちやすいため、オフィスへの導入に向いています。

視覚的な魅力があるかで選ぶ
植物は単なる装飾ではなく、インテリアデザインの一部として空間全体の印象を左右する要素です。葉の大きさや形、色合いによって雰囲気が変わり、鉢やプランターのデザインを工夫することでより洗練された空間を演出できます。
また、配置方法を工夫することで印象を大きく向上させることができます。(詳細は次章で解説)
照明を活用して配置する
植物の見え方は照明によって大きく変わります。自然光が入りにくいオフィスでは、人工照明を工夫することで植物をより魅力的に見せることが可能です。特に、色温度が高めの寒色系照明を使うと、葉の緑色が鮮やかに映え、生き生きとした印象を与えます。
逆に温かみを演出したい場合は、暖色系の照明を使うのも効果的です。
単に植物を置くだけでなく、照明を組み合わせることでオフィスの空間演出力が格段に高まります。
【事例画像付き!】オフィスへのグリーンの取り入れ方・デザイン例
以下では、オフィスへのグリーンの取り入れ方やデザイン例を実際の画像も交えて解説します。
鉢植えの設置
鉢植えは、最も手軽で一般的な方法です。床やデスク、棚の上など、さまざまなスペースを利用して簡単にレイアウトできます。
鉢のサイズやデザイン、配置エリアを変えることで、空間のアクセントになり、おしゃれな雰囲気を演出することが可能です。

上記の事例では、ホワイト×ブラック×木目調を基調としたオフィスに大きめの鉢植えを置くことで、配色のアクセントとなっています。

またこちらの事例では、グリーンを各所に取り入れることで、明るい配色のオフィスの中でも安らぎや落ち着いた雰囲気を感じられる空間を作り上げています。
上部から吊り下げる
グリーンを上部から吊り下げることで、床面積を占有せずに緑を取り入れられるため、スペースを有効活用したいオフィスにおすすめです。
吹き抜けの高い天井や窓辺に吊るすことで、空間に立体感と動きが生まれ、おしゃれなアクセントになり、カフェのようなリラックスできる空間を演出することができます。

上記の事例では、天井から大胆にグリーンを吊り下げることで、アクセントを持たせつつ安らぎを感じられる空間を実現しています。

こちらの事例では、会議室の天井からグリーンを吊り下げることで、リラックスした雰囲気で会議に臨める雰囲気を作り出しています。
間仕切りとして利用する
グリーンを間仕切りとして利用することで、プライバシーを確保しつつ、閉塞感のない心地よい雰囲気を演出できます。
例えば、執務エリアとリフレッシュスペースの間に設置したりすることが可能です。あるいは、各席の間に入れるアイデアもあります。

壁面へ装飾する
壁面にグリーンを装飾することで、オフィス空間に視覚的インパクトを与えることができます。特にスペースに限りがあるオフィスや、より大胆な緑化効果を求める場合に有効です。壁面緑化をエントランスに活用する企業も多くみられます。
壁面の場合は、フェイクグリーンを活用することで水やりやメンテナンスの手間がかからず、長期間美しい状態を保つことができます。

上記の事例では、エントランスの壁面に大胆にグリーンを取り入れることで、来訪者様の印象に残る効果を持たせています。
モニュメントとして活用する
グリーンそのものをモニュメントとして活用するパターンもあります。オフィス全体を緑で統一し、シンボルツリーを取り入れることで、空間に圧倒的な存在感と癒しをもたらせるデザインです。

上記の事例のように、丸いテーブルの真ん中に木を植えるなどの工夫も可能です。このような活用方法により、視覚的なインパクトと同時にリラックス効果を持たせることができます。
人工芝生を取り入れる
休憩スペース・リフレッシュルームの床に人工芝を敷いて「屋外感覚」を演出することで、社員がリラックスできる空間を作り上げることができます。イベントやショールームを運営する企業の場合、季節感やブランドイメージを強調する空間デザインとして活用もできます。
ただし、全面を芝にすると「遊び場」感が強くなりすぎるため、一部のエリアにアクセントとして導入するのが効果的です。

オフィスにグリーンを導入する際の注意点
オフィスにグリーンを導入する際には、以下の点に注意する必要があります。
配置の事前計画が必要
グリーンを導入する前に、サイズ感と配置バランスを考えておくことが重要です。大きすぎる植物を置いてしまうと、圧迫感を与えたり、通路の動線を妨げたりする可能性があります。反対に、小さすぎる植物では空間の魅力が十分に発揮されないこともあります。
【例】
- 広いエントランスや応接室:存在感のある大きめの植物を配置すると、印象を高めることができます
- デスク周りや休憩所:小型の鉢植えを置くことでリラックス効果を得られます
このように、各エリアやスペースに適した大きさや種類を選ぶことがポイントです。
維持管理費・メンテナンスの考慮
本物の植物はストレス緩和やリラックス効果などを実感できる一方で、初期費用に加えて水やり、肥料、剪定、枯れた葉の処理など、日々のメンテナンスコストも発生します。特にオフィスでは、世話をする担当者の不在が多いと植物が弱ってしまうリスクもあります。
フェイクグリーンならメンテナンス不要であるため、コストと手間を削減可能です。本物の植物を導入する場合には、専門業者からレンタルしたり、定期的にメンテナンスを依頼する方法も選択肢に入れると良いでしょう。
ビル管理会社への確認
特に壁面緑化や大規模な植物設置を伴う場合、必ず事前にビル管理会社やオーナーの許可を得る必要があります。テナント規約によっては、植物の設置に関して制限がある場合もあるため、トラブル防止のために事前確認は必須です。また、設置計画について詳細を共有し、合意形成を図ることが重要です。
デザインから設置、工事までを一括で請け負ってくれる専門業者に依頼すれば、許可申請や安全対策を含めたサポートを受けられ、こうした不安を解消できます。
オフィスにおすすめの観葉植物一覧
オフィスへの導入に向いている代表的な観葉植物としては、ポトス・モンステラ・パキラ・アルテシマ・ウンベラータがあります。それぞれの特長やおすすめの設置方法は以下の通りです。
| 概要 | 特長 | おすすめの使い方 | |
|---|---|---|---|
| ポトス | 卵型・ハート形の光沢ある葉。 室内・オフィスによく映える定番のグリーン | ・耐陰性が高く、蛍光灯下でも育つ ・育てやすく、乾燥気味が好み ・空気清浄効果あり ・繁殖が容易でツルがよく伸びる | ・デスク上や棚隅に配置し、空間に広がりを ・ハンギングや壁掛けでツタを活かした配置もおすすめ |
| モンステラ | 大きく切れ込みのある葉が特徴的、インパクトあるフォルム | ・明るい間接光を好み、少ない水やりでも育つ ・生長が早く、大型化しやすい ・葉のフォルムからインテリア性が高い | ・エントランスや応接室など広い空間のアクセントに向いている ・背景として視覚的なアクセントを与えたい場所で活躍 |
| パキラ | 幹が編み込まれたスタイルが人気の観葉樹。 「マネーツリー」として風水でも親しまれる | ・比較的育てやすく室内向き ・乾燥や寒さに強く、耐陰性もある ・スタイリッシュな見た目でオフィス映えする | ・エントランスに一本置くだけでおしゃれな印象を演出 ・デスクサイドや会議テーブル横に配置することで、落ち着きある雰囲気を出せる |
| アルテシマ | シンプルで整った葉の形が特徴的な常緑低木種。 成長するにつれ葉の色が変化 | ・耐陰性に優れ、比較的手間がかからない ・丈夫で剪定にも強く、葉がきれいに広がる | ・執務エリアの隅や通路脇などにすっきりとした緑を追加 ・レセプションカウンターやミーティングスペースに配置し視線誘導に |
| ウンベラータ | 傘のように広がる葉が印象的な、トロピカルな見た目 | ・育てやすく、初心者向け ・大きな葉で存在感があり、視覚的効果が高い ・乾燥や暑さに強い | ・広めのスペース(ロビー・応接室など)に配置してインパクトを演出 ・室内に温かみのある自然感をもたらしたい場合におすすめ |
ポトス

モンステラ

パキラ

アルテシマ

ウンベラータ

オフィスグリーンを導入することで、視覚的・精神な効果や自社のイメージアップといったメリットを得られるため、積極的に取り入れると良いでしょう。
一方で、こまめなメンテナンスやオフィスの雰囲気・デザインに合った配置計画も必要であるため、オフィスデザインも含めてプロの業者に依頼するのがおすすめです。
イルミナでは、内装設計・デザインはもちろん、建築監理サービス全般のトータルサポートまで、お客様のご状況に合わせたサービスを提供しています。詳細は下記からご覧ください。


